どうして、
有名観光スポットへ?
パリの魂、それは歴史です。でもその伝統ある豊かな歴史はあまりにも長く、その多くを知るためには数週間、数年、いや一生本や資料を読まなければならないでしょう。
そのような理由から、昔からプロのガイドは限られた内容での説明を続けてきました。
しかしこのような説明内容も、よく知られている場所に関して十分に言い尽くされているとは言えないでしょう。そのひとつの例として、昨今最も例に挙げられるものに、エリゼ宮があります。元はナポレオン一世の奥方ジョゼフィーヌの住居であったこの建物がその後、賭博場として使用されていたことを知れば多くの人が驚くことでしょう。ノートルダム大聖堂やアンバリッド(廃兵院)に関しても同様のことが言えます。そこには過去に関係した人々についての説明、変わった出来事、ドラマチックなお話等々、パリ・チャームズ・アンド・シークレットの入念な調査なしでは書物の中だけでの事実として永遠に残ってしまうことでしょう。
エッフェル塔について皆がすべてを知っていると思っているかもしれません。しかしそのエッフェル塔に“妹”がいるということを果たして知っているでしょうか。アル・カポネとエッフェル塔の関係を知っている人がいるでしょうか。この文章をを読んでいる人は、単なるエピソードに過ぎないと考えているかもしれません。しかし、この事実は当時新聞の一面を飾り全フランス国民に伝えられた事件です。パリ市民を魅了し興味をそそったこのミステリーは、その後徐々に忘れ去られていきました。
パリ・チャームズ・アンド・シークレットでは、過去に実際存在した人々とそこから生まれた物語で構成されているエピソードをお話ししながら、見学の対象である歴史的建造物・施設をよりよく知っていただく事を念願においたツアーになっています。ノートルダム大聖堂の場合、石造建築である建物そのものより、むしろビクトル・ユーゴの作品に出てくるせむし男とその時代の人々のお話を聞いていただきます。ルーブル宮に関しては、その歴史の長さ故、詳細な建築様式に説明内容をとどめることも可能ですが、ここでは大きなスキャンダルを巻き起こした小説家のお話をすることにしています。深く掘り下げた内容をシンプルにわかりやすく説明いたします。
これまでの説明に興味を抱いてくださった方は次章を続けてお読みください。未だ“旅”の始まりに過ぎません。